2026.04.16
活版印刷の名刺が出来るまで

活版印刷は印刷技術の原点とも呼ばれ、
「手触り」と「風合い」が特徴の印刷と言われています。
古い印刷機を使って、凸版の凸部分にインキをつけて、
紙に圧力をかけてインキを転写する印刷技法です。
と簡単に言ってしまえばそうなんですが、実際の現場では、
オペレーターが活版印刷に最適なデザインデータかをチェックをしたり、
印刷工は癖のある印刷機械と紙やインキの特性と睨めっこしながら、お客様の印刷物を丁寧にお作りしています。
今日はそんな印刷現場で、商品ができるまでに気にかけている品質への追求をご紹介します。
印刷のクオリティを左右するデータチェック

商品のご注文があると、まずはサイトの担当者がお客様のご注文内容とデータを確認します。
印刷データとして使用できるファイル形式か、使用できない画像は使用されていないか、
注文内容とデータに相違はないか、などの基本的な部分はもちろんのこと。
よりお客様のイメージに近い仕上がりに近づけるように、経験を元にデータを確認していきます。
- デザインは活版印刷として適正な線の太さになっているか。
細すぎたり太すぎたりして、製版でつぶれる可能性のあるデザインはないか。
- 紙とインキ・加工の組み合わせの相性はどうか。視認性の悪いものになっていないか。
見えにくい可能性がある場合、どんな代替方法があるか。
- 文字の細かさ、ベタの有無、紙の種類などによって活版印刷機の選定。
こういったポイントを確認していき、時には印刷現場とも相談をしながらデータチェックを行います。
データや注文内容自体に不備はなくとも、紙やインキの組み合わせなどで仕上がりに懸念要素があることもあります。
こういったときは進行について一度お客様に確認をとったり、
印刷や加工方法についてこちらからご提案を行うこともあります。
デザインの魅力を引き出す繊細な設定

印刷現場では、印刷にかかる前に以下のようなポイントに気を配り、
機械の設定に取り掛かります。
- デザイン上に細い線と色ベタ面が混在していないかなどを確認し、
インキローラーの向きを考慮しながら、印刷版の貼り付ける方向を設定
- 印刷色が2色以上の場合、色の濃い薄いや見当ズレへの影響をイメージして、
どの色から印刷を進めるべきかを、これまでの経験から優先順位を決めます。
- 指定された紙の色を確認し、紙の地色が透けて印刷時に指定の色から遠ざからないように、
入念にインキの配合を調整し、調色します。
- 紙の厚さや両面印刷かなどに配慮して、最適な印刷圧の設定を決めます。
- 印刷動作の一連流れの中で、印刷汚れや紙に傷が付いていないかをチェック。
この他にも、インキの供給量や機械の印刷速度の調整など、
細やかな設定のうえ、印刷作業を進行しています。
良いものだけをお客様の手元に

印刷時に印刷工が最善の注意を払い作業を進めていても、
古い印刷機の特性や紙の種類やインキとの相性などによって、予測できない汚れや傷が発生することもあります。
それらを検品者が正しく見極め、お客様へ満足のいく商品だけを厳選してお届けしています。
時には、不良が多く注文枚数が納期通りに納められない事もあります。
こういった場合は、綺麗な商品だけを納品日までに一度納めさせていただき(事前にご相談のご連絡をさせていただきます)、
不足分の枚数は再度印刷作業を進め、後日に残り枚数を納品させていただいております。
これは弊社の品質へのこだわりであり、
古い印刷機械を使った活版印刷だから多少の汚れやバラつきは仕方がないと思われたくない想いから、
社内ルールとして設けています。
これからも技術の向上と品質維持をお約束します
活版の印刷物は、機械の性質上、商品が出来るまでに多くのチェックを経て、
印刷工のこだわりやプライドのうえで成り立っていることを、
このコラムを書きながら改めて感じることが出来ました。
最近では、Canvaでのデータ入稿もスタンダードとなってきたり、
QRコードを記載する名刺も増えたり、これまでになかった新しい紙や、またその紙とのインキの相性、
印刷加工との組み合わせなどといった、一筋縄でいかない案件も多くなっています。
その都度、現場では試行錯誤を繰り返しながら、最善の答えを見つけ出し、
これからも変わらず、美しい活版印刷物をお届けしていきたいと思います。
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活版印刷や加工に精通したスタッフが印刷の可否や注意点などをお応えします。
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